第11章 プレゼントは死の秘宝
しばらくしてダンブルドアがこれ以上は無意味と判断したのか、ヴィオラに寮へと戻るように促した
これ以上迷惑をかけたくは無いので、その言葉に大人しく従う事にした
「ご迷惑をかけてすみませんでした、それと助けて下さり本当に、ありがとうございました」
それだけを言って部屋から出た
スネイプとダンブルドアは追いかけては来なかった
声すらもかけてこなかった
ずっと見つめあって動かない
おそらく、二人は何かを知っている
今回の事がどこに繋がっているのかを、二人は知っている
「………………」
でも、それに首を突っ込もうとは思わない
きっと、自分が知るべきではない話だと直感したからだ
「あっ」
廊下を歩いてしばらくすると、突然思い出した
「これ、持ってきちゃった……」
ポケットからあるものを取り出す
手に持つと、それはあの黒い指輪だった
(この指輪のせい?見るからに黒い指輪って怪しいし……)
じーっと見つめる
だが、何も変化はない
ただ、ダイヤの中に三角の目があるだけ
「ダンブルドアに預けた方がいいかな……」
『やめておいた方がいいよ』
「へ?神様?」
独り言に、頭の中で神様が答えた
語りかけてくるように彼は声を発する
『ダンブルドアにもスネイプにも、預けない方がいいってこと』
「どうしてですか?」
『それね、危ない指輪なんだ
私の加護を受けてる君が持っていないと、指輪の持つ強大な呪いに侵食されてしまう』
「え!ちょっと、嫌ですよこんなの!」
恐ろしい話を聞いてしまったので、指輪を捨てそうになる
だがその前に神様がなだめるように言った
『落ち着いてよ、私がその呪いを無効化してるから君に害はない
というか、たぶんこれは君が持ってなくちゃいけないものなんだよ』
「?」
『あはは、いつかわかる時がくるよ』
「…一体これはなんの指輪なんですか?」
『それは……また後で説明があるからその時にね』
話を聞くもはぐらかされてしまった
どうやら、答える気はさらさらないらしい
疑問ばかりが募ってしまう
「あれ?」
『ん?どしたの?』
異変に気づいた
その異変を口にする
「足が治ってる」
そう
さっきまで痛くて仕方がなかった捻挫した足が、なんともなくなっていたのだ
痛みも腫れもスッキリ無くなっている