第11章 プレゼントは死の秘宝
「あ、ありがとうございます」
スネイプが隣にいるということを思い出してすぐさま立ち上がり素直に礼を言った
スネイプはそれを聞いてはいたが、その顔からは怒りというものが感じられた
スネイプが少しばかり怒気のこもった声で言う
「マリエレンダ、なぜ許可もなしに外へ出た?
君の身勝手な行動により我々教師陣がどれほど迷惑したか分かっているのかっ」
「っ……すみません」
その言葉に、返すことが出来なかった
許可も無く外へ出て死にそうになったのは、自分の責任だと分かっているからだ
マクゴナガルやダンブルドアも、困っていたに違いない
「おまけに、亡者に襲われるなど……一体何をした?!
あそこで!あの場所で!君は一体何を解き放った!!」
「……」
「答えんか!」
「っスニッチが……」
「…なんだと?」
「天幕を掃除してたら……スニッチが、突然飛んでいって…この指輪を」
震える手で持っていた黒い指輪を差し出す
スネイプはそれを見て息を飲み、黙ってしまった
「っ……」
「……あ、の?」
ヴィオラが不審に思い声をかけるも、スネイプは黙り続けている
「ヴィオラ」
「「!」」
突然の声に、スネイプとヴィオラは驚く
その優しく、落ち着いた声の方を振り返る
やはりそこにはダンブルドアがいた
「ダンブルドア先生……」
ダンブルドアはこちらに近付く
ゆっくりと近付きいつもの優しい目ではなく、どこか鋭い目で彼女を見た
そして言う
「勝手に学校の外へ出るとは感心せんの」
「っすみません」
「聞くところによると、スニッチを追ってあの廃墟に行ったとの事じゃったが…なぜスニッチは君を連れて行った?」
「え?」
「君は、50年前の事を知っているのかね?」
「?…………」
突然、ダンブルドアが別の話をしだした
その話の意味が分からず、ずっと頭に?を浮かべる
ダンブルドアはその様子で何か分かったのか、視線をヴィオラからスネイプへとずらした
「セブルス、何を心配しておる?」
「……ダンブルドア、これがあなたの狙いですか?」
「わしは今回の事に何も関わってはおらん、ヴィオラが狙われるとは思っておらんかった」
「…………」
両者は黙る
何か二人だけに分かる話をしているようで、ヴィオラは黙るしか無かった