第11章 プレゼントは死の秘宝
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二時間経っただろうか
スニッチについて行くと、何か屋敷が見えた
大きな屋敷だ
だがしかし、その屋敷は寂れており、活気もなければ人がいる気配もない
完全な廃墟と化っしている
「あなたが連れてきたかった場所はここなの?」
キュインキュイン
スニッチに問うと、そう音を立てた
どうやら正解らしい
「……………………」
とても気分が重たくなるような場所だった
廃墟だから仕方がないが、それ以上にもっと何か暗いものがあるような、込められているような
そんな感じがする
ふわり
スタッ
地面に着地する
ゆっくりと、スカートが浮かないように少し抑えて
少しすると、マロンが鳴いた
「ホゥー!」
「ん?どしたの?」
マロンのいる方に行く
彼女は何かを見つけたようで、それを見る
「ゴーント家?」
文字が書かれていた
そこには薄くだがそう書かれており、何とか読めた
その名前には心当たりがある
(ゴーント家って、確かトム・リドルのお父さんの……)
ヴィオラの言う通り
ゴーント家はトム・リドル、後のヴォルデモートの父方の実家である
ヴォルデモートは父親を嫌っていたためそこまで関わりがなかったようだが、確執はあったという
そこになぜ連れて来たのか
キュインキュイン
「あっ」
(入り口がある)
スニッチの音の方を見ると、小さいながらも人が通れる入り口があった
ここを入れということなのか
大人しくついて行き、中を見てみる
しかし案の定、暗くてよく見えない
ヴィオラは杖を取り出す
そして構えて
(光の呪文といえば……)
『ルーモス(光よ)』
すると杖から明るい白い光が溢れた
「これでよく見えるね」
杖を中の方に掲げる
それで屋敷の中が鮮明に見えてきた
「マロン、おいで」
「ホ?」
「あはは……少し怖いからギュッてさせて?」
「ホゥ!」
やはり廃墟なのでどことなく怖い
恐怖を紛らわすために、マロンを強く左手で抱きしめた
キュイン
「はいはい、ついて行くから〜」
スニッチはまるで早く来いと言わんばかりに大きく音を立てる
急かされているみたいなので渋々屋敷へと入った