第10章 活躍と不穏のクィディッチ
まずい
肝心の言い訳を考えていなかった
家系魔法を簡単に明かすわけにもいかず、かといって何かピッタリの言い訳を思いつくはずも無い
(どうしよう……このままじゃ絶対怪しまれるっ)
冷や汗を垂らしながら慌てていると、マダム・ポンフリーは何かを察したのか、「ダンブルドアとマクゴナガル先生を呼んでくる」と言って部屋を出ていってしまった
「ふぅ…………いや安心してる場合じゃない!」
僅かに一息つくが、そんな状況では無い
何か上手く理由を考えなければすぐにボロが出るだろう
愛の魔法はディメンターすら凌ぐほどの力がある
それが外界に知られれば家族がどうなるか、すぐに予想は着く
魔法省に縛られ、監視され、いいように使われる道具として扱われるだろう
(魔法省なんて信用できないよ……映画では、ヴォルデモートと戦うのにあまり協力しなかったんだから)
一人、そう思った
でも、ダンブルドアには言った方が良いんじゃないかな?
そんな考えが浮かぶ
ダンブルドアは少なくとも信用できる人間だ
生徒の弱みをおいそれと簡単に売ることはしない
ならば、彼にだけは明かすべきではないか?
「……………………」
でも、やっぱり気乗りしない
「あっ」
ダンブルドアとマクゴナガルが来た
外からパタパタと足音がする
もう連れて来たのかと感心し、痛い体の姿勢を無理やり正した
「マリエレンダ!ようやく目覚めたのですかっ」
マクゴナガルが第一声にそう言う
彼女も、先程のマダム・ポンフリーと同じようにいそいそとかけてきて強くヴィオラを抱きしめる
「はあ、本当に無事で良かった……」
「ま、マクゴナガル先生、痛いですよ……」
「もっと痛がってしまいなさい!」
「ええ〜」
マダム・ポンフリーとマクゴナガルは似たもの同士だと、直感した
「程々にしておきなさいマクゴナガル先生」
「ダンブルドア先生……」
全体的に白い老人が現れた
ホグワーツ校長アルバス・ダンブルドア
いつものように白い髪と髭を生やし、優しい目付きでヴィオラを見た
「随分と長い眠り姫じゃったのう、ヴィオラ」
「す、すみません……」
「ほほほ、体は大丈夫かね?」
「筋肉痛を除けば大丈夫です」
少しはにかんで言う