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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第10章 活躍と不穏のクィディッチ



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パチリ

「ん」


(何?ここ、どこ……?)


ゆったりと重いまぶたを開く

ゆっくりゆっくりと視界が開け、目の前には白い天井が広がった
だんだん意識がはっきりしてくる


「あれ?ここって医務室?」

体を起こし周りを見渡すと、保健室特有の白いベッドがあった
心地の良いフローラルの香りがする
ベッドはとてもふかふかで、体が沈み起き上がるという思考を奪ってしまう


(そういや、クィディッチで倒れたんだっけ?)


ベッドに堕落しながらぼやぁっと記憶が蘇ってくる
確か、クィディッチの試合でハリーに魔法を使ったせいで、自分は倒れたはずだ

「予想してたけどあそこまで代償が高いとはなぁ
うっ、体が筋肉痛だ……」

身体中が痛い
ズキズキと、筋肉痛でお馴染みの鈍い痛みが全身に広がる

キスをしなかっただけでここまで呪いが重く降りかかるとは思ってなかった
それに、倦怠感の後に筋肉痛に襲われるとは、一体なんなんだろう……

(うう〜、痛いよぉ)

ちょっと身体を動かしただけでズキッとくる
しばらく眠っていたはずなのになぜこうも痛いのか


「クィディッチに出てないのに筋肉痛ってね……」

我ながら自嘲気味な笑みが浮かんでくる

本当に自分でも情けなく思う
試合に出ていないマネージャーがなぜ倒れるのか
今頃マクゴナガル達は呆れているに違いない


「あぁ!目が覚めたのですねマリエレンダ!」


女の人が声をかけてきた

ドアの方からだ

そちらを見る

するとそこには戦争時代の病院に務めているかのような服を着ている女性がいた

「マダム・ポンフリー?」

ヴィオラは彼女の名前を呼んだ
マダム・ポンフリーと呼ばれた女性は、心配しているかのようにこちらにいそいそとかけて、ヴィオラを強く抱き締めた

「あぁ、良かった……」
「ま、マダム、痛いです……」
「もっと痛がってしまいなさい!あなたは10日間も眠っていたのですよ!!」
「ええ!」

10日間という数字にとても驚いた
代償のせいでそんなにも長く眠っていたのか
改めて考えると、やはりむやみやたらには使うべきではないということが分かった

「一体なぜ倒れたのです、検査しても原因が判明せず呪いにかけられた訳でもないのに……」
「えーっと……」






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