第10章 活躍と不穏のクィディッチ
ダンブルドアはそれにイタズラっぽく微笑み、本題を聞いた
「さて、それでは本題に入るが……なぜ君は倒れたのかね?マダム・ポンフリーは原因が分からないと言っておったが……」
「それは……ええっと……その」
「?」
思わず言葉に濁ってしまう
それにより、マクゴナガルやダンブルドアは、訝しげにヴィオラを見た
彼女は理由を考えながら濁り続ける
「じ、実は……」
「?」
(はっ!思い付いた!!)
「ご、ご飯を食べてなくて!!」
……………………
「「は?」」
マクゴナガルとダンブルドアは、それまで見たことも無いようなポカンとした顔をしている
開いた口が閉じないようで、目が点だけの状態になっていた
こういうこと→(・・)
(やばい!こんな言い訳が通じるはずないのにっ!)
心の中で冷静に突っ込むが、もう仕方がない
「クィディッチの前の日から、緊張して、ご、ご飯が食べられなくて!本番も食べてなかったので、それで倒れたんだと!あはは!!」
我ながら、苦しい言い訳だった
(何言ってるのよ私!ほら!マクゴナガル先生達がひっどい間抜け面になってるよ!)
こういう顔→(゜。゜)
「あなた……」
「ひぃ!!」
マクゴナガルがメラメラと燃えている
後ろに熱い真っ赤な炎が見えるほど、お怒りだということが分かった
(え?まさかこれで通じたの?)
落ち着いて考えるが、目の前には鬼のマクゴナガル先生がいらっしゃるのでその思考もすぐに打ち消される
「前日も本番も食事をせずそれで倒れて10日間も眠ったと?」
「ま、マクゴナガルせんせっ」
「なるほど、ではお腹が空いているでしょう、すぐに料理を作らせますのであなたはここにいてください」
「え?」
「10日も食べていないなら沢山いりますね、有り余るほどの食事を用意してもらうので残さないように」
「はっ、ちょっと待って……」
「それと、体が健康になるまであなたにはクリスマス休暇はありませんので」
「いいいいいややや!!困ります!」
「はい?食事抜きでクィディッチに出て全員をひやひやさせたあなたに口答えする権限があるとお思いで?」
「ぐぬっ」
さすがマクゴナガルだ
反論する機会と権利を与えない
ダンブルドアはそれをどこか楽しそうに見ていた
この後、ヴィオラの体重が劇的に増えたのは言うまでもない