• テキストサイズ

銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第10章 活躍と不穏のクィディッチ



(私はフィールドにいるから手出し出来ないし、何とかして気づいてもらわないとっ)


あれこれ考え、杖を取り出し、観客には見えないように呪文を唱える

『エイビス』

少し小声でいい、カナリアを出す
「ピー!!」と4羽が鳴きながらくるくるとヴィオラの周りを回る
彼女はカナリアに言う

「皆、ハーマイオニーとロンにクィレル先生が呪文をかけてるって気付かせて欲しいの、行ってきて」

すると小鳥たちはコクコクと頷きハーマイオニー達の方へ飛んで行った

(ていうか……あの子達言葉分かるの?)

こんな状況でも場違いな事を思ってしまった





「ピー!ピー!!」
「ピュー!」

ハーマイオニー達の方を見ると、小鳥が上手く伝えようとしてくれている
ハーマイオニーの髪を引っ張ったり、ロンの頬を叩いたりして、何とかクィレルの方を見させようとしていた

「んもう、何よこの鳥!せっかく応援してるのにっ」
「痛い痛い!なんなんだよ!あっち行け!」
「ピィー!!」

(ああ……カナリアちゃん達のメンタルがっ)

激しくロンとハーマイオニーに拒否されてしまったので、4羽はしょんぼりしながら帰ってきてしまった

「ピ……」
「だ、大丈夫だよ!そんなに落ち込まないでっ!」

とても気の毒になってきたので小鳥たちを元に戻した

(んもー!どうすりゃいいのよ!)

こんな事をしている間にも、ハリーは箒と格闘している

「うわああ!あぁ!」
「どうすれば……」



「あっ」


ひとつ、思い付いた


(愛の魔法なら助けられるんじゃ……)


愛の魔法は、愛する者になら救いの効果を付与できる
魔法でかけられた呪いを解いたり、傷を癒したり、心を元気にしたり、少しの勇気を与えることができる
様々な事が出来るのだ

以前にも、エドワードがピアノのコンクールに出た時、無意識に発動させてしまった
おかげで、エドワードは入賞出来た
少しの自信がつき、自分なら出来ると信じたからだ
あれ以来、エドワードは弱音を吐くことはあまり無くなった
だから


「あの時みたいにハリーにも使ったらいけるんじゃ」

そう呟く

もちろん確証はない
愛する者にしかかけられない魔法なら、効果は無いかもしれない
そもそも、愛するという事が何かをヴィオラは知らない












/ 428ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp