第10章 活躍と不穏のクィディッチ
ピー!!
「クァッフルが放たれ、試合開始です!」
リーのアナウンスを皮切りに、観客たちが盛り上がった
とても大きな歓声が湧き上がる
「すっごい……」
その迫力に、そう呟くしかなかった
クディッチとはここまで人気なスポーツだったのか
そう思うと、なんだか胸が高鳴ってくる
「アンジェリーナ選手決めた!グリフィンドール10点!
しかし、やはり噂されているだけ美しい姿ですね〜!思わず実況をしている僕も魅入って……」
「ジョーダン!ちゃんと実況してください!!」
「すいませんマクゴナガル先生!!」
選手達の動きを見つめていると、リーがナレーションでそう言う
もう決めたのかと観客たちが湧き上がった
少し視線をずらすと、喜んでいるロン達が目に入る
彼らは、グリフィンドールを応援して話しながら試合を見ている
にしても、相変わらずリーはリーだと思った
(マクゴナガル先生も突っ込んでるし……)
「今度はスリザリンがクァッフルをゲット、
フレッチリーがキャプテンのフリントにパス!
グリフィンドール、また10点追加です!!」
グリフィンドールの選手がスリザリンからクァッフルを奪い、点を決める
これでグリフィンドールは20点だ
普段から熱心に練習をしているだけあって、やはりその動きは見事なものだった
見とれていると、ハリーに異変が起きる
「うわぁっ…わ!」
「あっ、これ……」
突然、彼の箒が暴れ出した
困惑の声やスリザリンからの声が上がってくる
もちろんハリーは何もしていない、ただ普通に飛んでいるだけ
原因は別にある
「…………」
視線をハリーから観客席にずらす
彼女の視線の先
リー・ジョーダンが司会を務める観客席
そこにいる教師、クィナリス・クィレル
「っやっぱり」
彼は何やら口を動かして呪文を唱えている
それが何かまでは分からないが、明らかにハリーへの妨害だった
その下を見るとスネイプが反対呪文で助けようとしている
いくらハリーが憎くても、本当にリリーを心から愛していたようだ
「さて……どうやって伝えよう……」
問題はここからだ
ロン達の方を見るも、彼らは気付いていなかった
また原作が変わったのだろうか、これくらいになるとハーマイオニーがスネイプのマントに火をつけに行っているはず