第9章 寄り集まるグリフィンドール
マクゴナガルがヴィオラ達を見つめて言う
先程とはうってかわり、何故かその目は和らいだものになっている
「よって、5点ずつ、3人に与えることにします
その幸運に対してです」
ハリーとロンが驚き、顔を見合わせて喜んでいる
ヴィオラも嬉しいが、ハーマイオニーが自分達を庇ったことが気がかりだった
(あっ)
ヴィオラの目に、スネイプの足が映った
彼の服の下にある足は、血がタラタラと流れていた
(あれって……)
スネイプが咄嗟に足を隠す
恐らく、ハリーとヴィオラの視線に気付いたのだろう
「さ、もう、行きなさい、トロールが起きるかも」
クィレルの一声により、思考は中断される
背を優しく押され、四人はその場から去ることにした
「ねぇ、ハーマイオニー」
隣を歩く友人の名前を呼ぶ
女子トイレから出て、四人は今寮へと向かっていた
ヴィオラはその道中、先程のことを思い出し、ハーマイオニーに言った
「どうして、嘘をついてまで庇ったの?
ハーマイオニーはただあそこに居合わせただけで、マクゴナガル先生から失望される必要はなかったのに…」
少しだけ申し訳なさそうに言う
するとハーマイオニーは優しく微笑んだ
「だって、三人は私を助けに来てくれたもの
ハリーとロンはトロールから助けてくれたわ、ヴィオラだって、わたしを友達だって言ってくれたから
友達を助けるのは当然でしょう」
ハーマイオニーがしてやったりという笑顔で言う
それに、ヴィオラは嬉しく思い、「ふふ」と笑ってしまった
そんな中、ロンが気づいて欲しいと言わんばかりに喉を鳴らす
「あのさ、ハーマイオニー」
「?」
「その……呪文学の時はごめん……僕が悪かったよ」
「ロン……」
ハリーと一緒に顔を見合わせる
ハリーも、ロンがこのタイミングで謝るとは思っていなかったようで、少し目を見開いていた
「気にしてないわ、私も言い方が悪かったもの」
「っありがとう」
ロンはハーマイオニーの言葉にほっとしたようで、肩の力を抜いていた
ハーマイオニーが少し可笑しそうに笑い、ロンの肩をはたく
「肩に粉がついてるわよ?きっとさっきの木片ね
改めて言うけど、助けてくれてありがとう、呪文も上手だったわ」
「当たり前だろ」
ロンはハーマイオニーのその言葉に「ふふ」と笑い、誇らしそうに笑って答える