第9章 寄り集まるグリフィンドール
「大丈夫!?怪我は!?」
「ああ、平気さ……でも杖が……」
ハリーに声を掛けるが、ハリーはトロールの鼻をずっと見つめている
お気の毒に
せっかくの杖がトロールの鼻水まみれになってしまっている
ハーマイオニーがトロールを見て言った
「これ……死んだの?」
「そうじゃない、気絶しただけだよ」
ハリーは落ち着いて答え、トロールに寄る
そして、刺さってしまっている杖を取り出した
気持ちの悪い粘着音が鳴る
ハリーが杖を見て文句を言った
ローブで鼻水まみれの杖を拭く
ロンが哀れに思ったのか、慰めの言葉をかけた
「元気出せよ、洗ったら何とかなるさ」
ハリーはそれに複雑な顔でコクコクと頷いた
安心に浸っていると、嵐が来た
パタパタ
「ああ!まあ、なんてことでしょう!
どういうことなんですか、説明なさい!」
(やばい!マクゴナガル先生来ちゃったよ!)
マクゴナガルが怒りと困惑に混じった表情で自分達を問い詰める
ハリーとロンが口ごもる
「あのっ……」
「その……つまり……」
「ええっと……」
ヴィオラも当然言い訳を考えていないので、彼等と同じだ
(どうしよう!?何も考えてなかった!)
「私のせいなんです先生」
慌てていると、ハーマイオニーが前に出てマクゴナガルに言った
マクゴナガルはハーマイオニーがそんな事を言うとは思っていなかったようで、静かに目を見開いた
「なんですって?Msグレンジャー」
「トロールを探しに来たんです、本で見たから倒せると思って…
でもだめでした
三人が助けに来てくれなかったら、今頃死んでました……」
ハーマイオニーがそう言った
驚き、ヴィオラ達は彼女を見る
(自分だけの責任にするつもりなの?)
マクゴナガルが言う
「助けに来たのだとしてもとても愚かな行いでした、もっとよく考えて行動して欲しいものです!
Msグレンジャー、あなたには失望しました」
マクゴナガルがハーマイオニーを強く見つめ言う
ハーマイオニーはそれに俯いてしまった
「グリフィンドールは5点減点です、判断力に欠けていますよ
あなた達三人も、無事だったのは運が良かったからです
1年生で野生のトロールを相手にして生きて戻れるのはそういないでしょう」