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君に触れたい。【ヒロアカ】

第1章 小学生時代 ー三年生ー


みょうじさんと俺は小学三年生のときに出会った。



至って普通の出会いで、ただ同じクラスになり席が隣だっただけだ。





人懐っこく明るい彼女は俺が席につくとすぐにこちらを振り向いて笑顔で挨拶をしてくれる。




「はじめまして、みょうじなまえです。あなたの名前は?これからよろしくね!」







小学三年生だからこの頃はまだ、俺の“個性”がヴィランに向いている何てことを言う奴は少なかった。








それでも俺の珍しい“個性”はそれなりに有名だった。




「心操人使。……よろしくね」













ふわりと笑う彼女につられて俺も微笑む。





窓から差し込むやわらかな春の光に照らされて輝く彼女の髪は、思わず触れてしまいそうなほど美しかった。





彼女と二人で話すことは少なかったが、隣で楽しそうに喋る様子を見ていると暖かい気持ちになった。










彼女の素直で明るい性格は俺の心を和ませる。






それには彼女と関わったことのある人のほとんどが共感してくれるだろう。







給食の時だって無言で食べる俺に臆せず笑いかけ、話を振ってくれる。





分け隔てなく色んな人に話し掛け、屈託なく楽しそうに笑う彼女の隣に運良く座れたことは、俺にとって無上の喜びだ。







俺も、会話に混ざりたい。一緒に笑いたい。




ずっとそう願っていた。







俺が入れそうな話題はないか、一緒に笑っても変だと思われないタイミングはないか、ずっと耳をそばだてて伺っていた。




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