第2章 出会い
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?「やまだぬき…?」
うらたさんを探して屋敷内を歩き回っとったら、玄関横の部屋の前にやまだぬきを見つけた。
いつもならうらたさんの肩に、我が物顔で乗ってんのにどういう訳か一緒じゃない。しかも部屋の前で堂々と寝入っている。もちろん狸寝入りだが。
?「お前こんなとこで何しとん。うらたさんは?」
や「きゅー」
「ここ」とでも言うように、目の前の部屋へ顔を向ける。
?(そういや、この部屋は日向ぼっこに最適だーとか何とか言っとったっけな)
しかし、単に日向ぼっこならやまだぬきを外に出す必要は無い。客でもいるのかと思い耳を済ませると、うらたさんと知らない女の声がする。
浦「ウブだねぇ。もっといじめたくなっちゃうじゃん」
女「や、やだ…」
?(おっと、イイトコやったんか。にしても、規則にうるさいうらたさんが、こんなとこで珍しい。ちょっとだけ…)
襖を少しだけ開け、中の様子を伺う。押し倒された美人と、獣の目をしたうらたさん。美人の方は俺たちとは違う変わった服装をしていた。
?(えらい変わった服やな。西洋のか?でも、西洋のでも見た事ないなぁ)
浦「嫌なら敬語外して名前で呼んで?それが出来ないなら、最後までヤっちゃうよ?」
ヤるのが目的ではないらしい。あの性欲強いうらたさんが?と驚くが、まぁ客では無いようだし、手なんて出そうものなら止めに入っただろう。
だが、女と馴れ合うのを嫌ううらたさんが敬語外し、しかも名前呼びを強制させるのは珍しいなんてもんじゃない。
?(おそらく初対面やろうに、かなりご執心みたいやな。女の方は反応がウブすぎるし、生娘か?あの感じやと接吻もまだやろな)
女の品定めをしていると、バチッとうらたさんと目が合い睨まれた。
?(おー怖。怒られんうちに逃げとこ。どうせ後で何らかの報告があるやろ)
やまだぬきに「見張り任せたで」と一無でし、その場を去り自室へと戻る。
部屋に入ると、騒がしい髪色の2人に迎えられた。
??「「あ、おかえりー」」
?「おかえりっちゃうねん。何でお前らが俺の部屋におんねん。坂田、センラ」
坂「えー?暇やったから?」
千「そういうまーしーはどこ言っとったん?厠では無さそうやけど」
勝手に話すのは躊躇われたため、「んーまぁちょっとな」と濁すと、坂田に執拗く問われる。
うらたさん早よ帰って来て。
