第6章 夢の後の後。
「俺ら、いっつも好きになる女、かぶるよなぁ。
凛ちゃんは、見た目超普通の子やったから、
今回はこうなるとは思ってなかったんやけどなぁ。」
俺は、絶対こうなる事は予想出来てたんだよ。
「翔太…、いつもお前は、見た目から入るんやな。
可愛い子好きやもんな。」
「そう言うお前は、美人好きやん。」
…お互い、見た目のタイプは全然ちゃうんやけどなぁ…。
「まあ、あんなに渋ってた謎が解けたわ。」
「…翔太、分かってると思うけど。
あいつの嫌がる事だけはすんなよ。」
「せえへんよ~。中学ん時みたいに、
がっついたりはもうないわ~。
しかも、今回は軽そうな子とちゃうし、
お前に勝てそうな気はしいひんわ。」
…ちょっ、やめて。
その言い方。何か俺、軽い男みたいやん。
「…待て待て。お前の勢いは、
中学がピークか。」
凛が帰った後、そんな話をしていたんだ。
「帰るぞ。」
「なぁ。せっかく一緒やし、たまには
マクドでも寄ってこや。」
俺たちは歩き出した。
翔太は、ああ言ったけど、
隙を作ったら入り込まれるかもやなぁ…。
そろそろ本気でいかなあかんな。
凛…。
帰したの俺やけど、
もうお前に…会いたいわ。
明日は、もうちょっと優しくしたろ。
いや…、優しく出来るかな…。
「浩二、顔緩んでる。
…キモイし。」
「ぅるっせーわ。」
くそっ…笑うな。
…俺の理性からはみ出した『欲』が
凛を求め始めていた。