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―夢の籠―(進撃短編集)

第1章 アッカーマン・アニマルホスピタル/リヴァイ


甘い眼差しで休憩で解かれたリリアの髪をさらっと耳にかける。熱を持った耳はリヴァイのひんやりとした指の感覚がより強調される。



『リ、リ、リヴァイ先生・・・』




『・・・ったく、これぐらいで真っ赤になるんじゃねぇよ。お前、変な男に騙されるぞ。ほら、手を洗って座れ』

何事もなかったようにリヴァイはキッチンへ向かって冷蔵庫を開ける。


『うぅ・・・心臓が潰れる・・・』


リリアは左胸を抑えながらナース服を脱き、靴の前に置こうとするとリヴァイの声がかかる。
自分の洗濯機の中に入れとけと。リリアが申し訳なさで拒むと、1枚や2枚増えたところで変わらない・・・と。

大好きなリヴァイ先生と一緒に洗濯されるナース服が羨ましいと思うなんて、自分でも重症ね・・・と自笑する。




リリアが戻るとリヴァイがキッチンに立って、カンカンと器用に片手で卵を割入れていた。
片足に重心を置いて立っているだけなのにかっこいい。

ジュゥゥとフライパンから美味しそうな音を立てて卵が焼けてくる。途中で菜箸で円を描きながらふんわりと空気を含まし、真ん中にケチャップライスをオン。

器用にお皿にひっくり返すと、ふわふわオムライスの完成。


『きゃー!美味しそうです!!リヴァイ先生さすが!』
『あぁ?んなもん、誰でも作れる。ほら、あったかいうちに食え。ケチャップは自分でかけろ』

リリアが座る目の前にオムライスとスプーン、ケチャップを置く。

リヴァイと一緒に昼食を取るようになって、時々こうやって料理をしてくれる。前日の余り物だと、煮物が出た時は染み染みで最高だ。


『んー、ケチャップで何か描きたい』

リヴァイ先生LOVEとか描きたい欲求を抑える。



『あ、そうだ~!ふんふふ~んっ』



『リリア、お前遊んでねぇで食えよ・・・』

リヴァイが自分の分を持って椅子に座る。


『リヴァイ先生っ!見てくださいっ』



눈_눈




『なんだ、これは?』
『リヴァイ先生の顔です!すごく似てません?!』
『スマホの顔文字みてぇだな・・・。リリア、絵心ないだろ』
『えー・・・似てると思うんですけど・・・。ま、いっか!リヴァイ先生をいただきまーす』

『・・・語弊がある言い方だな』

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