第1章 アッカーマン・アニマルホスピタル/リヴァイ
リヴァイは犬舎にいる動物たちの聴診や点滴の速度の確認をしている横でリリアはお昼の投薬の準備をする。
食いしん坊な子はそのままでも薬を飲んでくれるが、ほとんどの子は警戒して飲もうとしない。ウェットタイプのフードに詰め込んで食べてもらったり、それでも食べない子は可哀想だが口を開けて飲み込ます。
『はーい、お口アーンして頑張ろうね~。はーい、撫で撫で~・・・ん、飲んだね!良い子でしたっ!』
口を押さえて喉を擦り、ベロを出して喉が動くのを確認するとリリアは笑顔で褒める。
僕頑張った!と言わんばかりに尻尾を振っていて、リリアは更によしよし~と撫でまくった。
『ふっ・・・』
『リヴァイ先生・・・今、笑いました?』
『笑ってねぇよ。投薬終わったら休憩室に来い』
『はーい!』
絶対笑ってたよねー?と撫でていた子に心の中で聞くと、小型犬の子は首を傾げる。
リリアの心の声に反応というより、嬉しそうに頬を染めているリリアに傾げていた。
『リヴァイ先生、失礼します』
待合のカーテンを閉め、休診中の札を立ててから休憩室へ向かう。
『リリア、やっと来たか・・・。さっさとナース服を脱げ』
『え・・・?』
休憩室とは2階にある、リヴァイのプライベートスペースの一部。いうなればリヴァイの部屋。
お昼休憩は従業員2人だけなのでいつからか一緒に過ごすようになっていた。
リリアがドアを開けるなり、白衣を脱いだリヴァイがリリアに向けて手を差し出す。
『さっさと脱げ。休憩の時間が減るぞ』
『急に脱げって・・・リヴァイ先生・・・』
『おい、俺は裸になれと言っているわけじゃねぇ。ナース服は私服の上から着てるんだろ?それを脱げって言ってるだけだ。入院患者に感染症にかかったインコがいるからな、二次感染を防ぐためにこまめに白衣を着替えると昨日伝えたはずだが・・・?食事するのにも衛生的じゃねぇからな』
『あっ・・そ、そうでしたね・・・!!!』
リリアは慌てて上下のナース服を脱ぐ。リヴァイは仕事で言ったことなのに、少しでも動揺した自分が恥ずかしかった。
『・・・リリア、何か勘違いしたか?』