第2章 I will always love you/エルヴィン
『――――ヴィン!!エルヴィン!!』
頬にあたる温かい手。たまに冷りと濡らすのは涙か。
愛しい声。
泣き叫ぶように呼ぶ声に答えたい。
『リリア・・・・・・・・・好きだ』
『あ・・・ぁ・・・エルヴィン!!なんで今言うのよ・・・私も好きだよ・・・大好きよ!!だから・・・もう、心配させないで・・・』
病院に運ばれた俺は治療を受けていたようだ。
後に聞けば、あの女は逮捕されたという。
怪我をしていない側の手でリリアの顔を胸に当てる。仕事に捧げた心臓は鼓動している。ドクッドクッとした音を聞くようにリリアは耳を当てていた。
すっかり夕方になっていた空は橙色。
優しい風で無地のカーテンが揺れる。
個室部屋の入口にはハンジが立っていて、俺が目を覚ましたのを確認すると誰かに電話をし始めた。
きっとリヴァイだろう。
『エルヴィン・・・本当に良かった。もう・・・すごく怖かったよ・・・』
『すまない、君に心配をかけたね。愛している君を置いていくような悪魔なことはしないよ』
『うん・・・私も愛している』
『エンダァァァァァ~イヤァァァァァァ!!』
リヴァイと電話が終わったハンジは、あの歌を歌っていた。病院なのに迷惑な話だな。
言いたいことはあの顔で伝わったけど。
『リリア、私はいつまでも君を愛しているよ』
fin
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