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―夢の籠―(進撃短編集)

第1章 アッカーマン・アニマルホスピタル/リヴァイ


『リリアさん、おはようございます』
『あっ、イェーガーさん!おはようございます!エレンくん、おはよう!』

受付で作業をしていると、診察時間が始まってすぐに来院者がきた。グリシャは愛犬のエレンを抱っこしていて、クリクリとした緑色の目を輝かせてリリアに挨拶するようにワンッ!と吠えた。

『おい、ミカサ連れてきたぞ・・・』

リードに繋がれ、時々リヴァイを睨みながらミカサがひょこひょこっと歩きながら扉から現れる。
リリアも急いで待合に周り、リヴァイからリードを預かるとミカサも満足気にする。

『イェーガーさん、ミカサの里親になって頂いて本当にありがとうございます』
『いや、いつもエレンが世話になってるからね。きっと2人はいい友達になります。・・・ほらエレン、ミカサだよ・・・新しい家族だ』

グリシャがエレンを下ろすとミカサの方から近寄る。エレンはきょとんとしていて、ミカサがエレンの体の匂いを嗅いでいく。すると、2人とも尻尾を振り出した。

『どうやら・・・エレンとミカサは相性がいいかもな』

『よかったですね!リヴァイ先生!』

嬉しそうに振り向くとリヴァイも心做しか笑っているようだった。あまり笑った雰囲気を出さないリヴァイだが、里親が見つかったり治療が終わった患者の時は今みたいに笑っているように見える。
リリアはこの一瞬が大好きだ。

『私のところには子どもがいなくてね、エレンとミカサが私たちの子どもなんです。カルラも娘が出来たと喜ぶでしょう』

『またカルラさんにも会いたいので、エレンくんやミカサ連れて遊びに来てくださいね!』

耳の付け根を撫でると2匹は嬉しそうに尻尾を振る。

『リリア、ここは遊び場じゃねぇ・・・。まぁ、リリアもミカサに会いたいだろうし、グリシャさんいつでもどうぞ』

『ははは。リヴァイ先生はリリアさんには弱いですからねぇ。次のミカサの検診のときにカルラと一緒に来ます。それでは、失礼します』

リリアは扉を開けて差し上げ、グリシャとエレン、ミカサを手を振って見送った。遠くから2匹がじゃれているように見え、リリアは微笑ましくなった。


『リヴァイ先生は・・・私に弱いんですか?』

『・・・・・・さぁな。さっさとミカサがいた犬舎掃除してこい』

『は、はい!!』




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