第2章 I will always love you/エルヴィン
『もぉ・・・せっかく取材の人達の裏の裏を読んでいたエルヴィンを凄いと思ったのに・・・』
『はは、それは失敗したな。さて、そろそろ撒き終わったハンジからも連絡があるかな?』
時計を確認すると、数分が経っている。
そろそろ電話をかけてみようかと路肩に停車しようとすると、ナビ画面にBluetoothで飛んだ着信が表情される。イヤホンを片耳につけると通話を開始した。
『エンダァァァ~イヤァァァ~!!』
また、ボリュームを下げる。
『ハンジ・・・いきなり何だ・・・。鼓膜が破れる』
『やぁ!エルヴィン!!さすが君だね!!作戦も思った通りだ!こっちは上手くいったけど、リリアはどう?』
運転中だった為チラッとだけ横を見ると、顔を赤くしたまま口を尖らせている可愛らしい姿が確認出来た。
『お嬢さんのご機嫌を損ねてしまったけど、大丈夫だ』
『あれ?なんか仲良くなった感じ?いいねいいね!リリアを守って貰うわけだし仲良くないとね!』
『そうかい?にしても、さっきの歌は何だ?』
『え、知らないの?!あれは・・・』
『いや、いい・・・。知ってる』
ハンジはボディガードという意味で歌った。
今、自分がリリアのボディガードをしている。
あの映画のように、銃を構えるようなやつがいたら飛び込むのが仕事だ。
例えそれが、知り合って間もなくても、金が絡んでいる相手でも・・・・・・小さな手の女性でも。
『ねぇねぇ・・・エルヴィン』
ハンドルを握っている袖を軽く引っ張られ、1人で何か話しているハンジをよそにイヤホンを抜いてリリアにほほ笑みかける。
『喉乾いちゃったから・・・ドライブスルーでいいからカフェ寄ってほしい』
指さした方には緑の女性の看板が特徴のシアトル系コーヒー店がある。
リリアに頷くと、イヤホンを付けてまだ何か喋ってるハンジにまた連絡するとだけ伝えて通話を切った。
俺もなかなかリヴァイに似てきたかもな。