第2章 I will always love you/エルヴィン
『ハンジ、今日はリリアを自宅まで送ろう。少しハンジにも協力してもらわないといけないが・・・』
『それは全然構わないよ?リリアを会社に籠らせたくなかったからね。リリアの仕事も2日ほど休みがあるから自宅でゆっくりしておいで。殺害予告に関しては変わらず警察と話をつけるからね』
『ありがとう、ハンジさん!そうと決まればさっさと帰るよー!!』
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『ねぇ、エルヴィン・・・そんなのでこの報道の人達を誤魔化せるの?最初より人が集まってきてるけど・・・』
『あぁ、大丈夫だ。君は後ろで身を屈めていなさい』
リリアは俺の車の後部座席に座らせ、少しの間だけ身を屈めてもらう。
鞄を抱え持ち、縮こまった華奢な体が隙間に収まっていた。
車のエンジンをかけると、ハンジにワイヤレスで電話をかける。イヤホン越しに何故かテンションが上がったハンジの声が聞こえ、そっと通話のボリュームを下げた。
『ドキドキするねー!!じゃ、お先に私は行くよー!!エルヴィン、リリアを頼んだよ!私も適当に撒いたら連絡する!』
『あぁ、責任持って預かる。』
通話を切る前にヒャッホー!と聞こえたが、聞かなかったことにした。
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『おい!出てきたぞ!!地下駐車場を張ってて正解だ!!』
『リリアさーん!!我々に一言お願いしまーす!今回の脅迫について少しでもー!!』
『2台続けて出てきたな・・・。どっちに乗ってる?!』
『お前はまだまだ現場慣れしてないからな!こーいうのは2台目・・・と見せ掛けての1台目だ!!さっさと追いかけろ!!』
地下駐車場に集まっていた取材班は誰かの一言で散り散りになり左右に別れた車のうちの1台目を追いかけ始めた。
『エルヴィン・・・・・・どうしよう』