第1章 アッカーマン・アニマルホスピタル/リヴァイ
『サシャ・・・頑張れよ』
緑色の手術着を着たリヴァイはメスを持つ前に麻酔で眠ったサシャを優しく見つめる。
リリアも後から同じように見つめ、リヴァイがメスを持つと同時に少し麻酔の量を調整した。
リリアはリヴァイが何をどうするかを経験で理解出来るようになった。どうすればリヴァイがオペを進めやすいか、どの鉗子を使うかリヴァイが言わなくても分かる。
ピ・・・ピ・・・ピ・・・
静かな手術室に心電図の音だけが響いていた。
『よし、全部取り除いた。後は閉じるだけだ・・・リリア最後まで油断するなよ』
『はい!・・・サシャちゃん良かったね!』
膿盆にたくさんのビニールと芋が乗っていた。
リヴァイは丁寧かつ素早く縫うと、あとの処置をリリアに任せて手術着を脱ぐとコニーを呼びに行った。呼ばれたコニーは手術室の外からからサシャを見つけると、良かった・・・良かった・・・と心底安心したようだった。
暫くするとサシャは麻酔から目が覚め、ボーッとした感じだがリヴァイの判断で大丈夫となりリリアは犬舎へサシャを連れてき、用意していたタオルや毛布に寝かす。リヴァイは用意していた薬を点滴バックに注入した。
『リヴァイ先生、リリアさん・・・ありがとうございました!!』
『もう安心だ。暫く入院させるから、明日また様子を見にきてくれ』
『コニーさんもゆっくり休んでください。サシャちゃんお預かりしますね』
お会計は明日になり、リリアはコニーをお見送りをした。
『リリア、よくやったな。俺はもう少し様子を見るからリリアは先に帰れ。今日はメシ連れて行ってやれなくてすまん』
時計を見ると22時になろうとしていた。予約の時間はとっくに過ぎていて、後で謝罪の電話でもするか・・・とリヴァイは思う。
『とんでもありません。サシャちゃんが無事ならそれでいいんです。それに、私ももう少しいます。』
『・・・無理するなよ』
『リヴァイ先生も』
サシャがいる犬舎の前で2人は椅子を並べてサシャを見守った。