第1章 アッカーマン・アニマルホスピタル/リヴァイ
その後も暫くリリアとリヴァイは忙しくしていた。
最後の患者さんが来て、診察が終わったのは診察終了時間10分前。リリアはヨシっと心の中で喜ぶ。
『最後に片付けて~、入院患者さんの状態チェックして~、留守電に切り替えて終わり~』
いつも以上にリリアはテキパキと動く。リヴァイもそんなリリアを見て、少なからず自分との食事を楽しみにしてくれていると思うと口元が緩みそうになる。
こっそりと予約した店は喜んでくれるだろうか・・・とリヴァイなりの準備もした。
リリアは着替え、リヴァイも白衣を脱いだ。あとは各スイッチを切り、留守電にするだけとなる。
『リリア、留守電を押すぞ』
プルルルル・・・プルルルル・・・
リヴァイの指が電話に触れた瞬間、着信音が鳴る。
───無視するか・・・?
プルルルル・・・プルルルル・・・
着信音は止まない。
『リヴァイ先生・・・・・・』
リリアが心配そうにリヴァイを見る。
リヴァイはリリアが言いたいことは分かっていた。
『くそっ・・・・・・。はい、アッカーマン・アニマルホスピタルです』
リヴァイが着信に反応してリリアは寂しい顔をしつつも口は弧を描いた。
暫くリヴァイは電話の主と話す。
リリアは持っていた鞄を置くと同時にリヴァイは電話を切る。
『リリア、緊急オペが入った。10分後に来る』
『えぇ、すぐに準備します!』
リリアは患者名を聞きカルテを出すと自分のナース服に着替える。
『リリア、悪いな・・・』
『何言ってるんですか。私たちはそういう仕事ですから、気にしないでください』
リリアは綺麗な笑顔で笑い、手を洗うと準備のために忙しく動いた。
『お前は、いい看護士だ・・・』
そう呟くとリヴァイは仕事モードの顔になり、白衣を纏った。