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―夢の籠―(進撃短編集)

第1章 アッカーマン・アニマルホスピタル/リヴァイ


リヴァイはため息をつきながら空を見上げる。夕方になりかけの空には飛行機が線を描きながら飛んでいた。数日後、もしかしたら今みたいに空を眺めて飛行機に乗ったリリアを見送ることになるかもしれない。そんな想像してしまい、またため息が出てしまう。

『まるで恋煩いの少女のようだな』

『あぁ!?変な表現やめろ・・・』
『リヴァイ、そろそろ自覚するべきだ。どっちを選んだとしても後悔するようなことになってはいけないよ』


─────自覚・・・後悔・・・



『・・・・・・そうだな。悔いのないようにしよう』

エルヴィンは柔らかい表情でリヴァイの背中を叩いた。

『エルヴィン、ありがとうな』
『君からのお礼なんて珍しい!春の吹雪が吹くか?』

リヴァイはうるせーとエルヴィンの背中を叩くと、エルヴィンはヴッ・・・と変な声が出る。




『リリア!!そろそろミケを連れてこい!』

リヴァイが声をあげると、リリアが腕を使って大きな丸を作る。ミケに最後にしっかり水を飲ますと、リードを付けてリヴァイ達側へ走ってきた。

『リリアさん、ありがとう。ミケもリリアさんと遊べて喜んでいるよ』
『いえっ!私もいい運動になりました!入院患者さんにもミケくん優しくしてくれて助かりました』
リリアはミケとボール遊びをしていたようでうっすら汗をかいていた。

『リリア、前髪がおかしいことになってるぞ』

『あ、ありがとうございます!』

リヴァイは腕を伸ばしリリアの乱れた前髪を直す。思ってもみないリヴァイの行動にリリアはお礼を言いつつも真っ赤になっていた。
傍で見ていたエルヴィンはにっこりと笑う。

『さて、私はそろそろお暇させてもらおうかな。リヴァイ、応援している』
『あぁ、色々助かった。また茶でも飲みに来い』
『・・・??エルヴィンさん、ミケくん、さよならっ!』

エルヴィンは軽く手を上げるとミケを連れて帰って行く。

『リリア』
『はい、何でしょう』
『今夜メシ行くから・・・約束忘れるなよ』
『わ、忘れませんよ!!さっさと仕事終わらせますからね!!』



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