第1章 アッカーマン・アニマルホスピタル/リヴァイ
『春は色んな花が咲くから花壇も綺麗ね』
暫く診察が続き、少し空いた時間にリリアは以前撒いた種が見事に花が咲きその手入れをする。
リリアが気にかけているおかげで、病院の外観は花で華やかになった。
『おや?花が花の手入れをしているようだね』
『エルヴィンさん!!ミケくんのお散歩ですか?』
私は花なんかじゃないですよーと笑いながら近づき、大きな犬のミケに手をかざすとクンクンと嗅いでいた。リリアと会う度にミケは手を嗅いで挨拶をする。
『はははっ!君はアッカーマン・アニマルホスピタルの花だよ!まぁ、私よりリヴァイの方が思ってるかな?』
最後はリリアが聞こえない程の声で言うが、ミケにはしっかり聞こえていて、全くその通りと言うように大きく一声吠えた。
『・・・外が騒がしいと思ったら、エルヴィンか』
『やぁ、リヴァイ。相変わらず忙しい病院だな』
『ハッ!それはお前のところもだろ』
エルヴィンはリヴァイと同じ学校の先輩後輩であり、リヴァイは獣医学を学び、エルヴィンは医学を学びそれぞれの道を進んだ。エルヴィンは心臓外科医でありスーパードクターとネットに乗る程である。
そのエルヴィンが飼っているミケはもちろんリヴァイが担当している。
『スーパードクターが2人・・・素敵・・・』
リリアは美形2人が並ぶ風景にうっとりする。
『おい、リリア』
『あ、は、はいっっ!』
すっかり自分の世界に入り込んでいたリリアはリヴァイの声にはっとする。
『何ぼーっとしてんだ。今の間に入院患者たちの散歩や餌の用意しとけよ。ついでにミケをドッグランで遊んでやれ』
『リヴァイいいのか?まぁ、ミケは利口だから心配はしてないが・・・。リリアさんが大変じゃないのか?』
『大丈夫です!今はあまり入院してる子もいないので、ミケくんも一緒に遊びますよ』
『そうかい?なら、ミケ・・・みんなと仲良くするんだよ』
エルヴィンはリリアにリードを渡すと、ワン!と吠えリリアの横にぴたっとくっつく。リリアはお利口さん~!と撫でると、お預かりしまーすとドッグランの方へミケと走っていった。
『で?リヴァイは私に何の相談かな?』
『・・・・・・エルヴィンには敵わねぇな』