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―夢の籠―(進撃短編集)

第1章 アッカーマン・アニマルホスピタル/リヴァイ


『マルコ~お前家じゃ漏らすことねぇのに・・・かしこいやつなのになぁ』
『・・・病院が苦手な個体もいるからな。ところで・・・リリアさん・・・だなんて、リリアと知り合いだったのか?』

カルテを見るとマルコは初診。何度も通ってる患者なら親しく呼ぶ者もいるが、初診での馴れ馴れしさと照れた顔が気になる。

『あ、リリアさんとは少し前に紹介で知りあいました!リリアさん、めっちゃ美人っすよね!動物に優しくて白衣の天使っす!』

リヴァイはへぇ・・・と眉間のシワを増やす。顔は怖くなりながらも優しく腰を撫でられているマルコは複雑な顔になっていた。


『へへっ、リヴァイ先生も協力してくださいよー。俺、リリアさんと付き合いたいっす!』



マルコの心が叫ぶ。
ジャン!君は状況判断に優れているはずだ!
その先生に言うべきじゃない!



子犬のマルコの心の声は届かず、ジャンはリリアを褒めリヴァイに協力を求め続けた。


『・・・・・・おい、』
『すみません!雑巾もってきました!リヴァイ先生ありがとうございます!』

リヴァイの我慢の限界になったところで、雑巾を持ったリリアが小走りで走ってくる。
リリアはマルコの足やお股周りを拭いてあげ、ジャンに預けたのち診察台をきれいにした。



お会計の為、ジャン達に待ち合いで待ってもらう。
その間、リリアが受付のパソコンで明細を作成しているとリヴァイがパソコン台を背にしてもたれる。

『リリア、お前友だちにあのガキを紹介されたんだってな?』
『ガキって・・・あ、ジャンさんから聞いたんですか!?・・・アニっていう友だちにご飯誘われて、行ってみたら・・・って感じです』

『・・・・・・付き合うのか?リリアは男慣れしてるんだろ?』

リヴァイは嫌味なことを言ってしまう。

リリアは打ち込む手を止め、驚いた顔でリヴァイを見た。

『紹介されましたけど、私はジャンさんをお友達と思ってるので・・・そんなつもりはないです』
『そうか』

───私が好きなのはリヴァイ先生なのに・・・


リリアはまた打ち込みを始めた。



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