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―夢の籠―(進撃短編集)

第1章 アッカーマン・アニマルホスピタル/リヴァイ


『リヴァイ先生様子がおかしかった・・・。でも、今夜・・・先生と2人で・・・ウフフッ』
『リリアさーん』
『あ、今日の私服可愛くない・・・。最悪・・・』
『リリアさん?』
『夜ご飯に連れて行ってくれるのかなー』

『リリアさん!!』

『あ、は、はい!!って、アルミンくん?!』

受付なのにすっかり上の空で窓から流れる雲を見ていて、自分を呼ぶ大声がしたと思い視線を受付に戻すと、受付カウンターに背伸びをしてこちらを見ているアルミンがいた。

『リリアさん、何回も呼びましたよー・・・』
『ご、ごめんね。アルミンくん小学校の帰り?』
『そうです!リリアさん、ミカサいる?!』
『アルミンくん、ごめん。ミカサは今朝イェーガーさんに引き取られて、新しい家族になったんだ』
『エレンのとこですか!そっかー、足良くなったんですね!良かった~』

アルミンは両手を組んで青い目を輝かす。

ミカサはアルミンが連れてきた犬だった。アルミンが学校帰りに足を悪くしていたミカサを見つけ、通学路だったアッカーマン・アニマルホスピタルに駆け込んだ。

小学生に治療費を払う能力はないわけで、慈善事業はしてねぇとリヴァイは断りを入れたが、アルミンの粘り強い説得とそれを見兼ねたリリアも参加してリヴァイが折れた形になった。

飼い主も見つからず、アルミンもおじいさんと住んでるからお世話が出来ない・・・と、今後のミカサに四苦八苦していると、怪我がよくなってからという事でグリシャのところに引き取られることになった。

『ミカサの足も良くなってきてたからね。アルミンくんはエレンくんとお友達だったの?』
『うん!お家が近いからよく遊びに行ってる!そっかー、ミカサもいるなら今から行ってこようかな!リリアさん!またね!!お仕事中はしっかりね!』
『ごもっともで・・・。アルミンくん、気をつけてね』

アルミンは手を振りながら、ランドセルの中の教科書などをガシャガシャと音を鳴らしながら病院から出て行った。



『今、誰か来てなかったか?』
『リヴァイ先生!アルミンくんでした!』
『あぁ、あのガキか・・・。慈善事業はもうしねぇからな』
『ふふふっ』

そんな事言ってもまたきっと助けるんだろうなとリリアは口元を緩めた。


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