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空白の記憶

第2章 Story-0 empty


生きる理由なんて、あったろうか?
世界に価値など、あろうもんか?
人間は僕達を無視した。視えると都合が悪いと言って。
心が、心を否定して。僕達は幻となった。
人間の子供が僕達を視れる事も減った。
マセた子供が増え、「そんな筈はない。」と。
否定的になってきたからだ。
僕は、自分が何か知っている。いや、知っていた。

僕は空白の記憶の端に、確かな汚物を持っている。

それを視ないフリしてるだけだ。
本当はどうすればいいか解っているのに。
僕は殺そうとしているんだろう。
――僕の中の僕を。
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