第1章 春は出会いの季節です。
キョトンとする鳴子くんに、これ以上何を言えばいいのかわからなくなる。
可愛い可愛いと連呼されても今までそういう経験がないため、正しいリアクションがどういうものか想像がつかないのだ。
「しかし話のわかるええ子で良かったわあ。これで晴れて小野田くんは自転車部!」
「うん。さんはこれから…今まで通りアニ研の部員探しを続ける?」
「そうだね……できる限りのことはしてみようかなって思ってるけど…」
「なあ!!もしアニ研アカンかったらちゃん自転車部のマネージャーにならん?!!」
「「え」」
鳴子くんから思いもよらぬ提案を受ける形になった。
自転車部のマネージャー。
幹がマネージャーになるとは聞いているけれど、自分がなるなんてことは考えたこともなかった。
「いやいや、私自転車のこと何にも知らないし…」
「そんなんワイが一から丁寧に教えたる!高校から未経験の部活入るやつなんてなんぼでもおるやろ」
「あー、それは確かにそうかあ。」
「せやろ?!!」