第2章 箱学逆チョコ戦争〜序章〜(荒北・新開・東堂・真波)
「ハァ?逆チョコー?何それェ?」
ある日の練習終わりのこと。
荒北の一際大きな声が部室に響きわたった。
それを受け、話を振った張本人である新開は口を開いた。
「バレンタインに男の方から好きな子にチョコを渡すことだよ、靖友。」
「なんだそんな事も知らんのか荒北。バレンタインとはもともと海外では男が女性に渡すものなんだよ。こういうイベント事に疎すぎではないか?そんなことではいざ彼女ができたときに…」
「だーーーっっっお前はいちいちうっっるせぇんだよ東堂!!!ここは日本だっつの!!!!……で、なんなんだよ新開、お前その逆チョコってやつ、やんのかよ」
「ああ、そうそう。最近めちゃめちゃうまいチョコレート売ってる店見つけてさ。これあげたら喜ぶだろうなって思ったところに、もうすぐバレンタインだろ?」
「お前甘ェもん好きだもんねェ…」
「新開さんの好きな人って、どんな人なんですかあー?」
と、いつも通りマイペースなのんびりとした口調で真波が言う。
後輩の質問に、新開は笑顔で答える。
「おめさん達、全員知ってる子。」
「「「???」」」
「俺達が全員知ってるというと…つまりそれは………」
「ああそうだよ尽八、だ。」
「「「「(さん)!??」」」」