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鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】

第1章 :絶望の地に、美少女舞い降りる



チリリリリン…


リリリリ…


何処からか小さな音が聞こえ…男は屋根の上に降り立ち、辺りを見回す。



848年。
此処は壁外の旧市街。
彼ら調査兵団は、何回目かの壁外調査の真っ最中。
辺りには巨人しかいない。


(気のせいか?)

男はもう一度辺りを見回し、ある一点に目が止まる。
15m級巨人の肩付近に、白いものがふわりと舞い降りた。

(何だ?)

男は目を凝らして、もう一度よく見る。

その白いものは少女だった。
白い服を纏った小柄な少女は、肩下まである黒い髪を靡かせ巨人の上に立っていたのだ。
その手には見たこともない長刀が握られ、突然その切っ先を巨人の項に刺した。
その瞬間項に電撃のようなものが走り、巨人は動かなくなる。


(何だ?今あの女は何をした?)

男は立体起動装置で少女のすぐ近くの屋根に降り立ち、更に様子を観察する。


『弱点ってココで合ってるよね?これ倒したの?』

少女は誰かと話をしているようだが、辺りに誰もいない。

(あの女…何者だ?誰と喋っていやがる?)

『…あ〜本当だ!そっかぁ…じゃあ1体ずつは面倒だから、全体攻撃するか〜!』

少女はまた長刀を構え、今度はその切っ先を天に向けた。


『落雷招来〜!!』


少女が叫ぶと同時に電撃が刀切っ先から迸り、天から少女の周りにいた巨人全ての脳天に雷が落ちた。


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