第47章 真冬
どうして冬はこんなにも寒いのだろう。マフラーに手袋を身につけて登校する。
(疲れたな)
まだ朝なのにそんなことを思いながら空を見上げた。
文化祭も体育祭も終わって、そろそろ期末テストだ。しっかり勉強しないといけないのに、テンションが上がらない。
昨日秘密を話したというのに、学校へ行くことは嫌ではなかった。
秘密を隠すことにはエネルギーが必要だったのかもしれない。今は頭がスッキリしているけれど。
(疲れたな)
スッキリした頭の割に、疲労感がすごかった。朝だというのにもう帰りたい。
こんなことは初めてだ。
「、おはよう!」
カナエがいつものごとく挨拶をしてくる。
「おはよう~」
少し驚いたけれど、実弥のように皆受け入れてくれたのかもしれない。いつも通りに振る舞うカナエに感謝した。
「…大丈夫?なんか具合悪い?」
「え?」
「顔色悪いわよ。」
カナエに指摘されたが、大丈夫だとしか言えなかった。疲れているだけで、特にこれといったこともない。
そんな日に限って体育は持久走。しかも一時間目。
「見学したらどう?」
「ううん。走るよ。」
何だか体がだるいけど、休むほどではない。昨日何だか眠れなかったからだ。それだけだ。
『お前のこと好きだし』
「、顔真っ赤よ?」
「ひゃい!?」
カナエに指摘されて慌てて顔に手を当てた。
ほんのり熱い。
「き、気のせいじゃないかな!!」
私はそう言って更衣室に向かった。
うんうん、わかるわかる。実弥も何となくでた言葉よね。こんな風に気にする私がバカね!!