第43章 消えた一日
集められたのは、氷雨くんの家だった。
話す側の私たちは一足先に集まった。
「春風!!」
「やあ、天晴」
感動的な再会を果たしている二人の横で、一人小さな男の子が見えた。
むすっとしてテーブルに頬杖をつき、こちらを見る彼には見覚えがあった。
「本当に頭の中が喜ばしいようだね。僕はこんなにも緊張しているって言うのに。」
そういやみったらしくいうところが何も変わっていない。
今回のキーパーソン中のキーパーソンである。
「ちょっとお、うるっさいなんだけど。いつまでたってもやかましいの何とかしなよ、アンジョーさん。」
「は?あいっかわらずのクソガキねえ…!!それに今更猫被らないでよ。陰で天晴って呼び捨てしてるの知ってるのよ?」
「あーはいはい。黙れよ天晴。」
「はいカッチーン」
「まあまあまあ、どうどうどう」
私たちは集まると、まずこの二人が喧嘩して、それを氷雨くんが必死になだめて、私はそれをニコニコ見守るだけだった。
一回お館様が仲介に来たけど、えらいこっやだった。日ごろの本部への愚痴大会みたいになって、生まれて初めて胃痛がした。
お館様は困っていたけれど、私にはどうしようもなかったっけ。
そうこうしているうちに、インターホンが鳴った。
「あの「だいったいあんたはねえ!!」」
「インター「うるっさいよ顔しか取り柄のないアンジョーさん」」
「すみま「落ち着いて、落ち着いて」」
「あの!!」
「「「うるっさい!!/ちょっと黙っててよ/大声出さないせください」」」
こいつら…!!!何で私がわがまま言ってるみたいになってんだよ!!
仕方ない。出るか…。
とぼとぼと歩きながら、私は玄関を出て門に向かった。
皆門の前に集まっていた。
実弥、胡蝶姉妹、悲鳴嶼先輩、冨岡くん、宇髄先輩、煉獄くん。私が死んだ時にいたメンバー。
「ようこそおいでませー…」
門を開けながらそういうと、私の顔色を見た実弥が驚いていた。
「どうしたんだよ、そんな顔して。」
「………何でもない。」
そう答えることしかできなかった。