第41章 某時代
それから数日、連絡先を交換した氷雨くんからは音沙汰がなく、天晴先輩と会う機会にも恵まれなかった。
しかし、実弥が言うには、
「俺だけが秘密を知るのは抜けがけだ。他の奴らにも聞かせてやってくれねえか。」
とのこと。
なので、実弥が話をしてくれて予定が合う日にみんなで集まろう!!となったのだが、なかなかそうもいかない。まず話す側の準備が全くもって整っていないのだ。
「、本当に話してくれるのよね。このままなしなんて嫌よ。」
それに、カナエの催促がすごかった。
「話すよ…。ちゃんとするから。逃げないから。」
「本当に本当なのね。しのぶもその日は参加したいっていってるんだから。」
「えっ。でも、まだあんなに小さいのに。」
「だって、前世じゃ立派な当事者だったのよ。私より参加する資格はあると思わない?」
「確かに」
私がこれは参ったと頭を抱えだしたそんなとき、やっと天晴先輩に会うことができた。
先輩は生徒会の役員なので、私は生徒会室に足繁く通っていた。そうしてやっと会えたのだ。
「霧雨ちゃん。どうしたの?」
その時、彼の周りには他の役員もいた。
「あ、あの、ちょっと予算のことで困ったことがあって、相談したくて。」
「そう…ごめん、俺会議抜けるね。」
先輩は役員の人たちにそう言い、あっちに行こうと親切に対応してくれた。先輩についていくと、そこは…。いつも、冨岡くんも含めて三人で話している場所だった。
「それで、わかりやすい嘘までついて俺を呼んだのは何で?」
…うう、バレていましたか……!!!
「ええっと…」
会えたは良いけど、そこからのことあんまし考えてなかった…。どう説明しようか。
「あ、あ、の私、氷雨くんに会って…」
い。いや、違うか??あの白い箱から話した方がいいのかな。いや、ええと。
「え…?春風に?」
「そ、そう。そこで話し合ったんです。あー、実弥が、おかしいって言って、あっと、私の死のことで。」
そこからごちゃごちゃながらも何とか説明をやり切った。話の趣旨を理解した先輩は、しばらく考え込んだ。