第39章 家族
「、あなた宛に来てるわ。」
数日後、おばあちゃんが晩ご飯の時に手紙を渡してくれた。
「送り主が書いてないんだけど…。心当たりある?」
「あ、あるある!ええっと、中学が離れた遠くの友だちから!!」
「そう、まだ文通ってあるのねえ。」
おばあちゃんがにっこり笑う。おじいちゃんは何かわかっていそうだったけど、何も言わなかった。
ご飯を食べ終わったらすぐに手紙を読んだ。
『こんにちは。いえ、読む頃にはこんばんは、でしょうか。』
いきなりどきりとした。本当に未来でも見えているんじゃないか?
『お手紙、驚きました。どうもありがとうございます。話したいことという内容はだいたい予想ができますので、いいですよと申しあげたいのですが、心に秘めておいてください。きっと、そのうち大きなことが起こりますから、その時にお話ししましょう。
ですが私もあなたにお会いしたいと考えています。申し訳ありませんが、私は外出が困難なので、私の家にお越しいただきたいのです。
それでは。』
まだもう一枚あった。
『ぜひ、素敵な幼なじみもご一緒に。』
……。
いや、マジで怖え。
一人で行くのはなあ、実弥ついてきてくれないかなあ、そうしたら心強いなあ。と思っていたので、それを見透かされたようでゾッとした。
もしかしたら、おはぎを持って不死川家のフローリングに額を擦り付ける私も見透かされているのかも。
「一生のお願い…ついてきて…!!」
「おい、こんなところで一生のお願い使う奴があるか。」
「えっ」
顔をあげると、実弥はちゃっかりおはぎの入ったタッパーを腕に抱えていた。
ちなみに、実弥のおかげで私はおはぎだけ完璧に作れるようになった。
「乗りかけた船だ。巻き込まれてやるよ。」
「ーーーーッ!!ありがとー!!実弥良い人!おはぎ星人!!」
「ああ!?」
兎にも角にも、私たちはあの人の家にお邪魔することとなった。日時をあの人に送り、返事がきたところで私たちはいざ出かける計画をたてた。