第37章 解明
「!!!」
大きな声で名前を呼ばれ、咄嗟に体が動いた。
すると、ごちん!!という音がしておでこに衝撃が走った。
「いたあッ!!」
「いてえッ!!」
私の叫び声の他に、実弥の悲鳴が聞こえた。
どうやら、私は寝転んでいて側にいた実弥とぶつかったらしい。
「おっまえ……まあ、目が覚めたならいいわ…!!」
ちょっとまだ怒っているみたいだったけど、笑って許してくれた。イケメンか?
「ごめん…!!って、私、寝てたの?」
「倒れるように眠りだすからビビったぜ…。ほんの数分だけどな。」
「うむ!眠るのも目がさめるのも騒がしいな、霧雨さんは。」
煉獄くんがけらけらと笑う。
「そんなに眠たかったのか?一年の時もなんかよく眠る時があったよな。」
「ああ、それは…。」
記憶をを思い出していたから、と言おうとしたときにあの白い箱が目に入った。
何だか引っかかったことがあって、じっと見つめる。
何か、夢とか見ていた…気がする。でも、何だったっけ??
「あああああああぁあああああーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
「うお!!」
実弥が悲鳴を上げ、煉獄くんが耳を塞いだ。
「おっもいだしたあああーー!!!」
「な、なんだ!?なにごとだ!?」
煉獄くんがやっと声を出した。
実弥はキョトンとしていた。
「箱の開け方、思い出した!私前世でもこの箱もらったことあった!!」
「本当か!?」
「ずいぶん急だな」
「私、多分寝たら前世の私が忘れちゃってた記憶も復活するんだと思う!!」
そう言うと、二人は顔を見合せた。
「どういうことだ?」
「ほら、前世で食べていたご飯とかって忘れてるでしょ?そういう記憶も、たまに思い出すんだよねえ。」
「へえ…。そんなことがあるのかァ。」
思えば、言うのは初めてかもしれない。
どうやら私にしかないみたいだ。なぜだ。