第21章 進級
一通りゲームで遊んだあと、夕方になったのでそろそろ帰ることにした。
「楽しかった~!誘ってくれてありがとう、カナエ。」
「いいのよ~。またやりましょう? がゲーム中にぶつぶつ言うの面白いもの!」
「……」
カナエが実は録音していて、聞かされたときは本当に恥ずかしかった。
「しのぶちゃんも、ありがとうね。またね。」
「…はい。また来てくださいね。」
「……。」
私は微笑んだ。
「約束。」
「…ッ!!」
しのぶの瞳が揺れる。
私は小指を差し出し、しのぶの小さな小指と絡めた。
「「ゆーびきーりげーんまん、うーそつーいたーら」」
そこまでは二人一緒だった。
「はーりせーんぼーんわーたしーがのーみましょう、ゆーびきった。」
私たちは指を離した。
「え?違うわよ、。はーりせんぼんのーます、じゃない?」
「ううん、これであってるよ?私ずっとこれだもん。」
私はふふ、と笑ってしのぶに顔を向けた。
「ね?」
「……はい。」
しのぶは笑っていた。
「じゃあ、また明日ね。」
「うん。」
私は胡蝶家から外へ出た。
空はオレンジ色に染まっていた。