第18章 年明け
私達その後、四人で行動して神社の近くの公園でしばらくペラペラと話していた。
「不死川からキリキリちゃん来てるって聞いたから必死に探してん。」
「よく見つけられたね、あんなに人がいたのに。」
「ビビっときてん。キリキリちゃんに会えますようにってお祈りしたんよ。神様が味方してくれたんやね。」
「やだ、冗談ばっかり。」
アマモリくんは本当に面白い。新年から笑いが止まらない。
「でもカナエにぶつかりそうだったよ?」
「確かに、が庇ってくれてなかったら危なかったわね。」
「そんなヘマせえへんよ?でも次から気を付けるわ。ちゃんと止めてな、不死川。」
「何でだよ。」
実弥がすかさずつっこむ。アマモリくんは全く反省していないようだった。
「不死川くんなら止めてくれるわよね~。」
「おい、のっかんなよ胡蝶…。」
「力はあるもんね!」
「ほんま頼りになるやつやで」
「頼んな」
「いやん、怖い。キリキリちゃん助けてー!」
睨まれたアマモリくんが私の背中に隠れる。
前方に怒った実弥。後ろにアマモリくん。板挟みになった私はどうしようかとカナエに助けを求めた。
「がんばれ~」
…まさかの声援だけ。
「もー!!人を挟んで喧嘩しないでよ!!」
元旦は、そうやって賑やかに過ぎていった。
楽しい日々は、あっという間にすぎていく。
でも、どういうわけか、もう一人の私はパタリと出てこなくなってしまった。