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キメツ学園【鬼滅の刃】

第16章 餓鬼


「お前、やっぱ頭いいな」


実弥に言われて驚く。
…そう、なのか?


「よく俺の説明でわかるな」

「わかりやすかったけど」

「はぁー、教師の才能あるのかねェ」


ちょっと皮肉がこもった物言いだった。


「実弥だって馬鹿…ではないんじゃない?勉強しようとは思うわけだし。」

「…そうかねぇ。」

「いーんじゃない?先生。楽しそう。」


教壇に立つ実弥を想像するとおかしくて笑ってしまう。生徒に怖がられて授業にならないかもね。


「………なぁ、」

「何?」

「…何か思い出したのか?」


実弥は鋭い。私は思わず目をそらした。


「……別に」

「嘘つけよ」

「…大丈夫、何でもないから」


笑おうとしたけど…笑えなかった。過去の私の無表情な顔を見たらわからなくなった。

どれが本当の私なんだろう。笑っている私?無感情な私?悩んだってわからない…。


「言えや。」

「ひぇ」


実弥がぐいっとほっぺを引っ張る。待って待って、痛い痛い。
私が手をぺんぺん叩くとやっと離してくれた。ひどい。


「……言えないから言わないんだよ。」

「あのなァ…。」


実弥がズイッと身を乗り出す。顔が近い。


「俺達、今は幼なじみだろうが。何でも言い合えるようになろうぜ。」


そう言われ、私はどうしようか迷った。
けれど。


「……ごめん。これは言えない。」

「あ?」

「…私は」

「……?」

「……いつか…いつか何でも言い合えるようになるって約束する。」


私はそう言った。今度はちゃんと笑えた。


「…約束しろ」


小指を差し出してくる実弥。

かわいいところがあるんだなぁ、と思いながらもそれは絶対に口にしなかった。


私達は小指を絡め、ゆびきりげんまんをした。
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