第14章 Additional Times

その日の晩、私の寝室にいたのは三日月だった。

「慧、あの服を着てはくれぬのか？」

三日月はベビードールのことを言っているのだと思う。

「そんなことまでしたいんですか？天下五剣様は」

皮肉を込めて言うと、

「したいな。当たり前であろう？慕っている女の卑猥な格好を見たくないだなど、俺にはとても言えぬ」

恥ずかしげもなく言う。

「慧、お主の気持ちに添えない行為だということは判っておる。だからこそ慧を溺れさせたい。仕事だとか作業だとか、そんな風に思わざるを得ないのは仕方のないことかもしれないが、俺は慧を啼かせたいし、お主のなかに挿りたいとも思う」

「三日月さんっ！！」

真顔で言う三日月に恥ずかしくなってしまったのは私の方で。

「ほら。どこにあるのだ？ここか？」

クローゼットを勝手に開け、中に何枚も吊るしてあるそのベビードールを吟味し、

「俺はこれが好きだ」

一枚選んで突きだしてきた。

「ほら、着てみろ。俺がみてやるから」

「っっ…恥ずかしいですよ」

「ならばあちらを向いておくからその間に着てみろ」

三日月はベッドの上で胡座をかき、私に背を向けた。

あーもう、仕方ない。

なんとなく私も三日月の方に背を向けて着ていたパジャマを脱ぎ、渡されたベビードールを身につける。

リボン多い。

三日月は案外女の子らしいのが好きなのかもしれない。

「着たか？」

「はい…」

正座して俯く私に向き直り、

「可愛いな」

言いながらにじりよってくる。

私の顎に手を添えて顔を上げさせると、少し上から口づけてきた。

「慧今宵は何も気にせず俺に溺れろ。これからは俺がきちんとお主の力を調整すると約束しよう」

そう言って私をベッドに押し倒した。

そしてまずは三日月のキスに溺れされられる。

「み、か…っ」

「違うだろう？同衾のときだけは、と約束してくれたではないか」

「ぁ、…宗、近」

「そうだ。慧」

お返しなのか私を名前で呼び、胸に手を添える。

そしてその手が胸の真ん中についていたリボンを引っ張って緩めた。

「ははっ、やはりな」

リボンをほどくとスリットから乳首が覗くようになっていて、顔を覗かせたそれを三日月の唇が吸い込んだ。

「ぁっ！！あ、んっっ」