第12章 BE IN SIGHT
「まだ気を遣り足りませんか?」
物欲しそうな顔をしていただろうか?
顔を上げ、見える位置まで移動してきた小狐丸が言う。
「ぁ…小、狐丸ぅ」
「慧」
びくんっ!!
耳元で名前を呼び捨てられただけなのに、身体が異常に反応してしまう。
「あの、ね…もう、欲しい」
小さく震えながら言うと、
「すっかり付喪神の虜になってしまいましたね」
言いながら私の左膝裏に腕をかけ曲げさせるとなかに挿ってきた。
「んんっっ」
質量に耐えたくて、小狐丸の頬に手を添え口づけてはみたものの、最奥まで一気に潜り込んできたから耐えられるはずもなく、大きく身体を震わせた。
「おや、慧は挿れただけで気を遣ってしまうのですか?」
「あ、ぁ、ごめ…」
「違いますよね?そこは気持ちがいい、と言ってくださらないと」
私を宥めて身体を密着させたままトントンと奥を何度か突いた。
「ひゃっ、はっ!!ぁぁ」
突かれる度に酷い快楽の波が訪れてくる。
「やめ、こぎつねぇ、イっちゃ…!!」
「どうぞ、お好きなだけ気を遣ってください」
口づけを交わし、舌を絡めながらも何度も絶頂を迎える私に、
「慧、言えますか?」
少しスピードを緩め身体を離して聞いてきた。
「あっ、ぁ…き、もちぃっっ。気持ち、いいよぉ」
「そうですね。私もとても気持ちいいです」
そう言って小狐丸は私と位置を替わるように寝返りを打った。
そして私の身体を起こさせると、
「慧のいいように、どうぞ」
騎乗位で動けと要求してくる。
そっと震える身体を前後に動かし快感を貪っていると、小狐丸の両手が私の胸を掴んだ。
「あっ、やっ…」
「この位置はいいですね。慧の揺れる乳房を堪能できて幸せです」
ぐちゃぐちゃと小狐丸の上で腰を振り、自ら快楽を求め、達する。
「ふふっ、そんなに気を遣って」
「あ、ぁぁぁァっっ」
「もう、小狐もイきますよ?」
「ぁん、ぅん。早くっっ」
下から強く突き上げられ、また激しく達した私のなかで小狐丸も射精した。
くてんと小狐丸の胸に抱きつくように身体を倒すと、優しく抱き締めてくれた。
「慧さん」
「朝まで抱き締めててて」
「勿論。言われなくてもそうさせてもらうつもりでしたよ」
撫でながら言った。