第12章 BE IN SIGHT
「私子ども産んでからあんまりケアとかしてなかったんだけど、薬研にそのせいで歪んだままだから痛いんだって言われて、なんかぐきっとやってもらったら治ったの」
大雑把に伝えると、
「とはいえ俺も責任感じる」
「いーよいーよ。私、すごく幸せだったし、あんなに名前呼んで貰ったの初めてだったから私の方こそ止められなかったかもしれないし」
「慧…」
「最高に気持ち良かったから許す!どうだ驚いたか」
鶴丸の真似をして言うと、
「あぁ驚いた。また今すぐにでも啼かせたいくらいにな」
笑顔に戻ってくれる。
ほんとみんな優しい。
そこへ、
「慧ちゃーん、入るよー」
清光が顔を覗かせた。
「清光お帰りなさい」
「ん、ただいま。今朝顔見ずに出陣したから逢いにきたよー」
言いながら私の背後に回り込み抱きついてくる。
もう着替えは済んでいた。
「鶯丸だった?」
「うん。今茶室にいるよ」
「まーた増えちゃったね。無双になるの良くないんじゃない?」
清光が言う。
「確かに、増えるのは嬉しいが少し寂しくなるもんな。慧を構える割合が減るし」
まぁ確かに私もひとりひとりと向き合いきれていないけど。
「まぁいいか。俺たちは他の男士よりも慧ちゃんと濃厚な時間を過ごせてるからねー」
「それもそうだな。ならば増えるのも受け入れるか」
清光と鶴丸が言う。
「慧ちゃん昨日楽しかったね」
「うん」
「そういえば安定まだほっぺたに紅つけたままいたよ?落としたくないって」
「えー…」
さすがに洗おうよ、安定。
「あんなみんなが興奮してるの見ると、俺内心面白くて面白くて。ずっと笑いそうだった」
「な。普段堅そうなやつが鼻の下伸ばしてたしな。伽羅坊とかヤバかったんじゃないか?」
みんなそんなだったか?
いつも私にベタベタしてくる男士以外も確かに距離感近かったけど、大倶利伽羅と蜂須賀には叱られた記憶があるし。
「ふふっ。もっと興奮して、手を出せないことにもがけばいいよ。だから慧ちゃんまたやろうね」
清光は楽しそうだ。
「昨日ほどのはいいよ。もちょっと肌隠したやつで…」
言うと、
「大丈夫。俺が守ってあげるからねー」
そう言う意味じゃない。
ババアの醜態を晒さすなと言ってるのに!