第12章 BE IN SIGHT
「あー、やっぱ引っ掛かってた?」
ばつが悪そうな顔をする。
「優しくできそうにないから、カッコ悪いけど慧ちゃんと居ても自分を抑えられそうな三日月さんか石切丸さんの今いる方に交代してもらおうかと思ってたんだ」
告白してくれた。
「何それ」
つい笑ってしまうと、
「僕は真剣なんだよ!?既に壊れそうな慧ちゃんとシたら絶対自分を抑えられなくてホントに壊しちゃうかもしれないから!!」
「そんな簡単に壊れないよ。てか光忠はそんな酷いこと絶対しない」
言い切ると、
「交代要請まだ出してなくてよかった」
と笑顔を見せてくれた。
光忠の淹れてくれた少し濃いめのコーヒーのお陰で、少し目の覚めた私に、
「そろそろ、かな」
光忠が言う。
「私先に行ってるね」
コーヒーセットを片付けてくると言った光忠にそう伝えて先に例の寝室へと向かった。
朝張り替えてもらったシーツはパリッとしていて心地よい。
そういえばさっき見つけたベビードール、光忠なら案外受け入れてくれるかも。
意を決してクローゼットを開け、ひとつ取り出した。
こそこそとそれを着ながら、
「恥ずかし…」
あまりの透け感に戸惑う。
正直真っ裸より恥ずかしい。
やっぱやめようか、そう思って手を掛けたとき、なんとも絶妙なタイミングでの光忠。
「慧、ちゃん?」
ドレッサー越しに目が合ってしまった。
「えと、これは…無し、だよね?」
隠そうとした私に早足で近づき、音を立てて抱き締めてきた。
「…可愛い」
「へ?」
「もう絶対我慢しない。早く啼かせたい」
そう言うと私の肩に唇を当てた。
鏡越しにみるその行為は妙に色っぽく見える。
私の肩に掛かる髪をよけ、肩に口づけながら鏡越しに目を合わせ、胸を下から優しく持ち上げる。
「…っっ光、忠」
「慧ちゃん、すっごくキレイ」
耳元で囁かれ震えるとまた抱き締められた。
「光忠、ベッド行こ?」
耳からの刺激が強すぎて崩れそうな予感がしたからそう促す。
和風タイプの少し低めのベッドはひとりで寝るには大きすぎるサイズだった。
ベッドに軽く投げられるように倒され、仰向けになった私に服を脱ぎながら光忠が股がってくる。
「慧ちゃん」
光忠は何度も私の名前を呼んでくれた。