第11章 Nameless fighter

「ほら、もう欲しくて仕方ないって顔してる」

首筋を舐めたり、噛みついたり。

「っ」

「主も脱ごうか。裸同士の方が気持ちがいいからね」

先ほど広げた胸元からするすると全部脱がせていき、あっさり裸にすると、

「すぐにでも挿れたくなるけど、そういうのは主の気を乱すんだろう？」

そういうと私にキスをしながら長い指をなかに挿れてきた。

「あっっ！」

上半身はお互いの肌が擦り合って、勝手に反応してしまっているし、意識はにっかりの指を追いかけようとしているし。

そんな私のなかにズブズブと挿し込みながら、

「君のいいトコロ、ここだよね？すぐに判ったよ。ここだけやけに温かい」

そこを集中的に撫でてくる。

「ふふっ狂うほどに感じればいいよ」

私の唇を塞ぎ口内は舌で、そして下腹部は長い指で犯されている感覚。

「んっ！！んんっ」

何度も達してにっかりの背中を叩くが離してくれない。

どころかまたなかの弱いところを強さを変えながら擦ってくる。

「んんーーっっっ！！」

また大きな波が訪れてベッドの上で跳ねた私に、

「ふふっすごくいい気が出てる」

唇を離して言った。

「…もぅ、出てるの？」

「あぁ。たっぷりね」

「最後までしなくていいの？」

「まぁ理屈で言えばそうだね。君が何度か気を遣れば満たされるよ」

にっかりの言葉に、ならここでもう、と言いかけた私に、

「だけどね、最後までしないと主の気、不安定なんだよ。それにここでやめるのは僕を生殺しにするようなものだけど、僕のこの欲はどこに放てばいいんだい？」

そう言って私の手をとりジャージの中で主張している陰茎へ導く。

「君はどっちがいい？僕のをなかにいれて共に気持ちよくなるのと、不安定を選んだ君の手で擦って僕だけが気持ちよくなるのと」

するするとその大きさを指先で触って確認してしまっていた私は、

「…欲しい」

「だよね？君ならそう言うと思っていたよ」

そう言うとジャージを脱いで私の脚の間に身体を進めてきた。

「にっかりさん…」

「なんだい？」

「なんでもない」

「そうかい？」

目を細めると私のなかに入ってくる。

「ぁ、ぁ」

「君のなか、こんなに温かかったんだね。知らなかったよ」

そう言って私の乳首を口に含んだ。

「あっ、やっ！」

思いがけない刺激に芯が疼き声が弾けた。