銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第12章 大規模侵攻
大規模侵攻当日
朝、いつもより少し早くに家を出るとちょうど同じタイミングで玄関が開く。
すると向かいの家から出てきた出水と目が合った。
『「あ....」』
2人の声が二重奏に重なり合う。
一瞬の沈黙の後、先に口を開いたのは出水だった。
「よっ!海影。」
『おはよう公平。今から学校?』
「まーな。そういうお前は今から防衛任務?」
『そうだよ。とりま大規模侵攻が終わるまではずっとかな。』
「は?じゃあお前、遠分学校来ねーのかよ」
『うん。まぁ、そうなるね。
そこでさ、ほんと悪いんだけどノート取っててくれない?』
「えー、めんどくさ。」
『お願いします!神さま仏さま出水さま。陽介に絶対頼んでも悲惨なことになるだけだからさ。』
「あー、確かにそれもそうだな。しゃーね、いいぜ。」
『ありがとっ!あ、はいこれいつものお弁当ね。』
「いつも悪ぃな。」
『おばさん最近仕事忙しいんでしょ?このくらいどうってことないよ。じゃあ、遅刻しないようにね!』
「わかってるつーの。じゃあな!防衛任務頑張れよな!」
『うん。あ、公平!今日のお弁当の感想お願いね!』
「ん。りょーかい。」
『じゃあね!』
「海影!!」
『ん?どうしたの?』
「約束しろ。絶ッ対ェ無茶すんなよ。」
『....わかってるって!約束ね。』
「おー」
出水と別れると急いで学校に向かっている小中学生、そして同級生たちとすれ違い、大規模侵攻までの防衛任務を任せられた海影はボーダー本部へと向かった。
出水はこの時のことを後悔することになる
あの時止めていればと
止めていれば、別の未来になっていたのではないかと.....