銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第11章 侵攻前の作戦会議
無事に遊真と千佳が入隊した次の日
迅の頼みで海影は午前中の防衛任務を終わらせたあと遊真達のサポートのため、本部に訪れた。
最初は午前中、修一人で大丈夫?と思ったものの、流石に任務を放り出す訳にはいかないので午後からサポートに入ることになっていたのだ。
『ヤバい。防衛任務が長引いた!レプリカ!』
【どうしたミカゲ。】
海影は本部の長い廊下を走りながらポケットの中に入っているチビレプリカに声をかけた。
『遊真に遅れるって伝えてもらっていい?』
【心得た。】
「お、海影。ちょうどいいところに!」
思ったより門の発生が多く海影は遊真との約束の時間に大幅に遅れ慌てている時だった。
ふわりと懐かしい煙草の匂いがして、少し低めの声に呼び止められる。
海影は後ろを振り返らずとも自分を呼び止めた人物が誰かなんてすぐにわかった。
何度も聞いたことのある声だからだ。
『ボス!本部に来るなんて珍しいね。ボスも会議に呼ばれたの?』
「おう。なんか急いでたが何かあったのか?」
『防衛任務が思ったより長引いちゃって....遊真との約束に遅れそうなの。』
「そうか。迅の代わりに遊真達のサポートありがとな。」
林藤はそう優しく言うと立て続きに時間に追われて疲労の色が見えている海影の頭を優しく撫でてた。
「これ。今日の会議の資料だ。すぐに結果を出して欲しいそうだ。頼めるか?忙しいのに悪いな。」
『ううん。大丈夫だよ。』
お前の分と言って海影に手渡す。
資料はそこまで多いと言うわけでもなく普段行われている会議の資料の3分の2というところだった。
『フゥ....』
さすがに目が疲れてくる。
少ないとはいえ、数十枚の資料を全て頭に叩き込んだ海影は細い息を吐きなら資料を閉じた。
今回の会議の議題は【大規模進攻】についての事だった。
予想はしていた通り、情報が少ない。
今のところで言えば主な情報といえば、迅のサイドエフェクトで予知され、起きるのとは確実としか言えない状況だ。
『ボス。情報が少なすぎて....使えない。』
「やっぱりかー。わかった。城戸さんには俺から報告しとく。お前は引き続き遊真達のサポート頼めるか?」
『了解。』
バイバイと手を振って林藤に別れを告げると海影は急いで遊真のいるはずのC級のブースへと足を急がせる。