第10章 ついに来た！正式入隊日！

「壊したカベは一生かけても弁償しますので....」
　
「なっ。え！？こちらこそ！」
　
『あはは。大丈夫だよ千佳...うん。ホントに大丈夫だから。安心して...』
　
頭を上げた千佳に海影は両肩を掴んでうなだれてそういう。
　
「え、でも。」
　
「海影の言うとおり大丈夫だ。経験者がそう言ってるだからな。」
　
「え？」
　
『ストップ！これ以上はストーーーップ！言っちゃ駄目です！東さん！』
　
これ以上黒歴史を言われてはたまらないそう思った海影は東がこれ以上黒歴史を言わないように制止する。
　
「まぁとにかく。大丈夫。訓練中の事故だ。責任は現場監督の佐鳥が取る。」
　
「ひええ！？東さん！？」
　
「君は本部の隊員じゃないな。海影と同じってことは────」

十分海影で遊んで満足したのか、東は話を戻し、千佳に自己紹介を求めた。
　
「.....玉狛支部の雨取千佳です....」

『あ、東さん。私今日から玉狛じゃなくて本部勤めですよー。』

「そうだったのか？じゃあ今日からよろしくだな。」

『はい。』と二人で話しているとまだ顔を真っ青にしている千佳が東に問いかける。

「あのわたしのせいで、玉狛の先輩たちが怒られたりとかは....」
　
「しないしない。」
　
『大丈夫だよ。千佳。安心して。』
　
震える千佳をなだめなるようによしよしと頭を撫でる。
すると
　
「なんだこれは！一体どうなっている！？」
　
叫びながら一人の男性が訓練室へと入ってきた。

「なぜ穴が開いとるんだ！？誰がやった！？」
　
そう声を荒げるのは鬼怒田開発室長。