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銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】

第2章 プロローグ


幸せに永遠なんてものはない。
一度壊れてしまえば綻ぶように崩れてしまう。
それを自覚したのはいったいいつ頃だっただろうか。
 
最初の悲劇は五年前
同盟国が襲われたときに、旧ボーダーの皆と必死に戦った結果、双子の兄灯影は致命傷を負い、ブラックトリガーとなって死んだとき。
 
二つ目の悲劇は四年前
第一次進攻が起きた日
友人の雪音が行方不明になってしまった事実を知らされたときだ。
 
まるで世界が壊れたかのように感じた。
私は己の無力さを呪った。
喪った悲しみも死への恐怖も全て忘れて
兄がよく笑っていたように私も笑みを絶やすことなく戦場を闊歩する。
 
支えなど要らない。
誰にも弱味を見せるな。
父や兄が死んだのも、友人が行方不明になったのも自分が弱いせいだと、そんな呪いのような言葉が私を縛り付けていた。
解放されることなんてない。
そう思っていたのに。
 
あの彼はその不器用な優しさで私の呪縛を
意図も簡単に壊してしまう。
その優しさはひどく暖かくて、
もう一度、誰かと共に戦いたいそう思ったんだ──
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