銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第18章 銀の鳥と仲間たち
「味はどうだ?」
『美味しい。ハイレインのところで食べてたものよりも美味しい。』
雛鳥のようにパクパクと食べる姿はまるでまだ幼かった陽太郎の世話をしているようで自然と笑みが零れた。
だが...1つ聞き捨てならないことがあった。
「海影。お前今アフトクラトルのところよりも美味いと言ったな。もしかして毎日こんなものを食わされていたのか?」
『たまにランバネインやヴィザ翁がフルーツとかお菓子くれた。普段はお粥?みたいなやつだったよ。実験ばっかりで身体が疲れてるだろうからって。』
「そうか。(実験...やはり海影はアイツらに何かされていたんだな。)」
レイジは平然を装いながらそう答えるが、ギリッ...と音が聞こえるほどスプーンを握りしめた。
「海影。食べたいものとかあるか?」
『食べたいもの?』
「なんでもいい。甘いものでもいいし辛いものでもいい。お前が望むものを作ろう。」
『急に言われても...そうだ。タルト...』
「タルト?」
『タルトが食べたいです。前本で見た時美味しそうだと思ったんです。でもハイレインからは体に悪いからダメだって...』
「わかった。作ってこよう。」
そういうとレイジは海影にお粥を食べさせ終えた後、厨房へと消えていった。