銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第18章 銀の鳥と仲間たち
「海影。腹減ったろ。飯食いに行くぞ。」
『う、うん。』
覚悟とはなんのことだろう。
困惑する彼女に太刀川はヨシヨシと頭を撫でると、行先も告げず、海影の乗った車椅子を進めた。
『太刀川さん...どこ行くんですか?』
「ラウンジだ。部屋に戻る前に何か食おうぜ。お前5日間眠り続けていたんだ腹減ってるだろ?」
『そう言えばお腹ペコペコです。』
くぅーと腹の虫がなり、顔を真っ赤にする海影に太刀川も国近も安心したように笑った。
食堂の中に入ると、朝早いこともありあまり人はいなかったが数人の以前の海影にとっての顔見知りが彼女たちを待っていた。
「お、やっと来た」
「つくもん先輩! 」
「ものすごくキズだらけだな。ミカゲ。」
『?貴方たちは誰?』
キョトンとした目で自分を出迎えた3人を見つめる。
「やっぱりか。お前記憶が戻らなかったんだな。」
「ビーストトリガー...なかなか厄介ですな。」
「あ!俺はね!緑川駿!駿って呼んでよ!」
「何言ってんだよ。お前九十九からは"緑川くん"って呼ばれてたじゃん。」
「それじゃ不満だから駿って呼んで欲しいんだよ!ね、いいでしょ?つくもん先輩!?」
『別にいいよ。駿』
海影はそう笑ってみせると、緑川に屈んでもらって優しく緑川の頭を撫でた。
「〜〜っ!ありがとう!」
「俺は米屋陽介。陽介でいいぜ。」
「俺は空閑遊真。今のミカゲと同じネイバーだ。」
『君もネイバーなの?』
「そうだよ。でもミカゲは元々こっち側の人間だから本当のネイバーじゃないと思うよ。」
『みんな僕のこと知ってるの?』
「知ってる。」
太刀川はそう言うと海影がわかりやすいように、説明を始めた。