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銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】

第6章 副作用の副作用と三人の新人


害虫駆除が終わり、報告書の提出と城戸司令の命令で定期検診のため本部を訪れていた。
 
「九十九ちゃん。どう調子は。」
 
『あはは。大丈夫ですよ。今回は軽度ですし、問題はないと思いますけど。』
 
真っ白で殺風景な治療室のベッドで顔色の悪い海影は点滴を受けている。
所々から薬品や消毒液の臭いが海影の鼻を刺激した。
 
「笑い事じゃないわよ!まったくもぉ!脳波がまた少しみだれてたよ!薬、おサボりしたでしょ!城戸司令に報告させてもらうわよ。」
 
『う"...城戸さんにだけはやめてよ~あの人怒ると怖いんですよぉ~。』
 
「あ、忍田さんにはさっき報告したからね。たっぷり怒られなさい?」
 
『うわぁ。せんせーの鬼ぃ。』
 
医師が呆れた様子でバンバンとカルテを叩く。
カルテには海影の今の症状とサイドエフェクトの事が記させていた。

「貴女のサイドエフェクトは他の人とは違うんだから、薬の飲み忘れには注意してとあれほど言いましたよね?」
 
医者の言うとおり、海影のサイドエフェクトは他者とは少し異なっている。
海影のサイドエフェクト【共鳴】は他者やネイバーと共鳴し、その相手の情報、思考、行動を読み取る力を持っている。
だが、その力は強大で読み取った相手の情報を大量に無理矢理脳にねじ込むので、脳が許容量を越え人体に影響を及ぼしてしまう、使いすぎれは海影の身を危険にさらす諸刃の剣なのだ。

軽度で頭痛

中度で目眩、鼻血、感覚障害

重度で吐血、意識障害を起こすたり、

下手をすれば記憶まで失うほどだ。

さしずめ副作用の副作用といったところだろうか。
それを抑えるに鬼怒田たち、開発部が作った薬が手放せず、こうした定期検診も受けている。
 
「点滴終わったら、今日は安静にしときなさい。分かったね?」
 
『はぁい....』
 
ズキズキと痛む頭痛に耐えながら、生半可な声で返事をする。
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