銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第17章 傀儡と不思議な少年
「お前に呪いをかけてしまった俺にはこれくらいの事しか出来ないみたいだ...いいか海影。よく聞け...これから先、お前の呪いを解いてくれる奴が現れるかもれない...その時は記憶も戻って苦しむこともあるかもしれない。でももう自分を許してやれ。」
『...っ。』
コツン。と灯影はまた海影の額に自分の額を押し付ける。
そしてポロポロと涙を流し、何度もごめんな。と謝ってきた。
「いつも...俺はお前のことを見守ってるからな。」
灯影の手が海影の手を握った瞬間
海影の体は宙に浮く。
『灯影?』
「灯影なんてむず痒い言い方すんな。ヒカでいい。」
『ヒカ.....』
「おう。ミカ。俺が元に戻るまでそれは預けとくぜ。」
灯影がそう言うと海影は手をそっと握り返した瞬間。
「夢の世界が壊れる...」
ポツリと灯影が呟いた。
────パリンッ!
まるでガラスが割れるような音がして、一筋の光が2人を照らす。
「もう、帰る時間だ。ミカ...俺はお前をずっと見守ってる。いつか呪いが解ける日が来たら...その時はお前の心のままに生きろ。もう無理に大人にならなくていい。」
そしてゆっくりと海影の首へと指を指した。
ゆっくり手を首に向けると、さっきまで無かったはずのブラックトリガーが光っていた。
「またな!海影。」
言葉の意味を理解した海影はハッと目を大きく開けた。
すると次の瞬間
海影の身体がふわりと宙に浮き、名残惜しそうに灯影は手を離した。